とある兄弟がある目的地を目指して駅へと向かった。 タイミングよくやってきた電車に駆け込もうと 急いで階段を登ると、真っ白な光に包まれた。 ゆっくりと目を開くと特に変わった様子もなく、 兄は弟の手を引っ張って電車に飛び乗った。 息を切らしながら流れていく風景を見ていたが、 さっきまで晴れていた空はどんよりとしており、どこか薄気味悪く感じた。

二人は座席に座って駅に着くのを待ったが、 電車は加速していき止まる気配がない。 しばらくすると通るはずもないトンネルに入っていった。 電車に乗り込んだ時には気づかなかったが、 車両には兄弟以外誰もおらず、 暗くてよく見えないが隣の車両にも人影は見当たらない。 この電車は何か変だ…。 二人は警戒しながら先へ進む事にした。