ヒトは、おそらく、滅んだ。 この未来に、希望はない。
出口のない研究所に閉ざされたアンドロイドたち。
物資は枯渇していく。身体は壊れていく。心は削れていく。  
――ある日、仲間の一体【チャコール】が何者かによって永久停止させられていた。  残されたアンドロイドたちは、動かなくなった【チャコール】を壊してパーツにし、劣化した身体を修繕して生き延びた。
あれから、もう、一年が経った。
直した身体は再び壊れ、動けなくなる日が近づいていた。  誰かが、あるいは、あなたは、言った。
――チャコールと同じように、この中の誰かを犠牲にして生き延びよう。  ……たとえ、この先の未来に希望がなくても、前に進むしかないのだ。
あなたの命はすでに、仲間の犠牲の上に成り立っているのだから。