明治三十九年七月一日。

大日本帝国新聞。著・常盤蘭時 これから記すは、あたし、常磐蘭時が体験した、事件、と呼んでいいのかもわからぬ、摩訶不思議な出来事でございます。 事の始まりは、あたしに届いた一通の手紙でした。 とある呉服屋の女将からの依頼で、子が生霊に取り憑かれているという。 話を聞こうと向かってみると、なんと呉服屋の旦那が拳銃で頭を撃ち抜かれて、死んでいたのでございます。 果たして、旦那の死の真相は。生霊の正体とは。あたしの選んだ選択は、正しかったのか。 生霊の家、ここに開幕でございます。