時は寛文。 江戸、吉原遊廓。 花見の季節を迎え、愛と欲にまみれた世界はより一層色を濃くしている。 妓楼・成藤屋では1週間前に妓夫と遊女が同時に消えた事件が起きていた。 真相は未だわからず妓楼中の噂になっている最中、今度は楼主が殺された。 首に巻きついた腰紐と絞められた赤い痕。 犯人の可能性があるのは花魁3名と新造1名の4人。 昨晩花魁たちの元には朝までそれぞれ馴染み客が訪れ、新造は花魁のお世話をしていた。 客と遊女たちの寝静まった後、何が起きたのか。 なぜ楼主は殺されたのか。 また一週間前の失踪事件の真相とは。

塀と堀で取り囲まれた囚われの吉原遊廓で、女同士の腹の探り合いが始まる…。