ぱらぱらと日向雨が降り続ける国、リトス。  年間降雨日は364日とも言われ、雨があがる時間すら稀なことだ。リトスで暮らし続ける人々は日向雨と隣り合わせの生活を当たり前のものとしている。  そして例外なく今日も雨は降り続いている。  静かに雨の降る夜、5人はとある小さな家に到着した。ここに来た理由は皆同じ、アイロの葬儀だ。
 昨晩通夜を終え、それぞれが故人との折り合いをつけながら日常へと戻ろうとした朝。  喪主の男から連絡を受け、君たちは再び小さな家へと呼び出された。  もしかしたら君たちの中には、火葬に立ち会うつもりはなく、今日ここに来る予定の無かった者もいるかもしれない。
 出迎えた喪主の男は、君たちに向けてメモを差し出す。  そこには、『ご弔問いただきありがとうございます。無礼を承知で申し上げますが、どなたかがご遺体の髪を切ったのではないかと疑っております』と書かれていた。  喪主の怒りが、君たちを厳しく睨みつける眼差しから伝わってくる。  
雨夜の弔いに誰かが水を差したようだ。