肌寒い秋の昼下がりに、学生寮の2階で事件は起きた。  
双子である〈ルア〉と〈ルイ〉の目の前には、1歳上の兄である〈リア〉が、無残な姿で横たわっている。
兄の体からは、鮮やかな赤色の血液が、ゆったりと流れ出ていた。
幸いにもこの部屋には〈ルア〉と〈ルイ〉の2人しかおらず、この状況を知っているものは、他にいないだろう。電話は寮長室にしかない。  
2人は思った。このまま警察を呼んでもいいのだろうか……?