「久しぶりだね、サー・カレック。君があの事件について調査をしていると聞いて、連絡させてもらった・・・事件の真相を、私なら教えてやれると思ってね」
依頼かと思って出た電話から、唐突に言われた内容。それは、自身が再調査している事件の事を示唆するものだった。 「知りたければ、会いに来るといい。いいや、君は知らなければならない。では、待っているよ」  電話の相手はそう言い残し、こちらの返事を待つことなく通話を切った。一方的に告げられ、そして勝手に切られた電話を、あなたは握りしめたまま呆然と立ち尽くす。  このまま不審だからと放置することもできるだろう。だが、電話の相手が言ったように、答えを知りたければ会うしか無い。そして、あなたには、そうしたいだけの理由がある。  あなたは戸棚から一つの茶封筒を取り出した。そこにはスナップ家事件報告書と書かれている。先ほどの話、あの事件の資料だ。
至る所が擦り切れた封筒を、あなたは再び開ける。  
追い求めた「真相」を確かめるために。