警報が止まらない。 航行中の遊覧ロケットに流星群が直撃してから船内はパニック状態だ。 ずさんな航路設定、不足していた安全管理、何が原因だったのだろうか。 ぶつかった場所も悪かった。初弾はあろうことか3等の乗客室、続いてエンジン部。 このロケットが渡航不能になったことは火を見るよりも明らかだった。 シートベルトを外す前に乗客室の穴から投げ出される者、人を押し退けてでも我先にと脱出ポッドに群がる者、阿鼻叫喚の世界だ。 金持ちが乗る1等室も、持たざる者が乗る3等室も関係なし。身分の差など非常時には何の役にも立たなかった。 いつしか人は護身用の光線銃を人に向け、自身の安全を確保するようになっていた。 今、君たちの目の前には2人乗りの脱出ポッドが1つある。 しかし君たちは6人。手には光線銃が握られていた。 ここまで来たなら仕方がない。誰かが死んでも緊急避難で罪には問われまい。 ロケットが爆発するまで残り30分。 人生の最後を掛けた椅子取りゲームが始まった……