いつもの地下芸人の舞台だった、ことは覚えている。
突如襲った視覚の異常。
突き刺す光とあふれる闇に呑まれ、その場でリハしていた全員が巻き込まれた…気がする。
あれがなんだったかなんて、未だに検討も付きやしない。
元の姿に戻りたくて奔走するやつもいれば、別に興味ないと何事もなかったかのように明日を迎えようとする奴も居た。
そういうもん。俺たちは地下芸人。「有象無象の芸人ども」。考え方も成も目指すところも皆違う。それは今までもこれからも変わらないこと。
ただ違うのは。
「俺たちみーんな「異常」になっちまった」ってことだ。
そしてその明滅は俺たちに語りかけてきた。
【世界滅亡を望む】人間が、この中にいると。