どこかの世界、どこかの国。 繰り返される争いに疲弊した人類は、 最後の希望を才能ある若者たちに託した。 選ばれし若者たちは政府直属の研究所で暮らし、 平和のための研究に励む日々を送っていた。
この研究所では3人の研究員が暮らしている。 名前はハク、チノ、アト。3人の間にはあるルールがあった。
それは、「互いの研究について触れないこと」。
ある日、研究所の所長から「娘がいなくなった」と緊急通信が入った。3人は研究所内を探索する。 導かれるようにして足を踏み入れたスクラップ室。 そこで目にしたのは、粗雑に捏ねられた油粘土に赤と黒の絵の具をぶちまけたような、歪な物体。
――文字通り、「肉塊」だった。