とある時代、とある世界、とある一族のお話です。 当主が留守にしていた春の日。分厚い雲に覆われた闇夜の日。一族のお嬢様が殺された。 鋭利な刃物で胸を何度も刺され、周囲には薔薇の花が散乱していた。 第一発見者のメイドは言った。

「悪魔が窓から飛び去った」

館にいたのは全部で5人。 カメリア家に仕える勤勉な執事・アルフレッド。 死体を発見したメイド・メアリー。 温和な庭師、兼、門番・グリム。 2か月前にやとわれた料理人・コック・ノック。 メイド見習い・ユーリ。 お嬢様を刺したのは、誰?