ここは大富豪である金持満(かなもちみつる)の別荘だ。大富豪らしくプライベート・アイランドに建てられたこの別荘は、海へ張り出したサンルームを有する、大富豪の別荘に相応しい豪華な造りとなっている。  そしてあなた達は今宵、この別荘に集まることになった者達だ。使用人であったり、客であったり、偶々迷い込んでしまった者であったり。様々な事情はあれど、しばらくこの孤島に閉じ込められることになった者同士である。  外は大嵐。こんな状態では誰も外に出られないし、誰も外から来ることができない。この近辺の海は普段は穏やかで美しい姿を見せるものの、嵐になると途端に牙を剥く『殺人海』として有名なのだ。もし海に入ろうものなら、死体が残るかどうかも怪しい。  さて。そんなあなた達は、不幸な事件に見舞われる。1つは、この別荘の自慢のサンルームがこの大嵐にやられたのか崩壊してしまったこと。  そしてもう1つは、サンルームに丁度居たらしい金持が、その崩落に巻き込まれて死んでしまったこと。  

……ここまでなら、『事件』ではなく、『事故』だろう。だが、あなた達の目には、これが明らかな『事件』であると、分かってしまったのだ。  あなた達はサンルーム崩落現場を見て、そこで金持の死体を確認して、気づくだろう。金持の胸に、明らかに刃物で刺されたのであろう、深い傷があることに。  

……さあ、あなた達は疑心暗鬼の中、屋敷の玄関ホールに集まっている。  海は荒れており、電話もつながらない。ここは完全に孤立した、あなた達だけの空間だ。  
これからどう動くのかは、あなた達次第だ。