戦の火蓋は 故に落とされんとしていた 夏休みを目前に控えた文月某日 約三十と五畳のその空間は 異様なほどに静かだった 張り詰める緊張感 騒ぎ立てる蜩の声 高校最後の夏

黒板には 遂に二つにまで絞られた選択肢があった