魔王を討ち倒した勇者一行。しかし、魔王城からの帰りに立ち寄った村で勇者が殺されてしまった。  

施錠された小屋の中に横たわる勇者の死体。魔法を使った犯行であることは確かだが、だとしてもこの状況はあり得ない。魔法は直接触れなければ発動ができないのだから、密室の中の勇者を殺せるわけがない。  こんな芸当ができる人物はただ一人――魔王以外にはあり得ない。  倒したはずの魔王は、パーティーの誰かの身体を乗っ取ることで復活を遂げていたのだ。  

夜になれば魔王は完全に力を取り戻してしまう。それまでに、仲間の中に紛れている魔王を見つけ出し、闇の魔力を封印しなければならない。  それができなければ、今度こそ、世界は終焉を迎える……。  世界の命運は、勇者の仲間たちに託されたのだった。