──目を覚ますと、そこはあたり一面真っ白な、何も無い場所だった。 やがて参加者たちは、自分も「ここにいる」ということ以外、「何も無い」 存在なのだと気付かされる。 姿形の特徴もなく、記憶もなく、名前すら覚えていない。 そんな彼らにどこからともなく、声がかけられた。

「やあ。やっと全員起きたんだ。随分長くかかったね。」

緋い瞳で見下ろし、声は告げた。 「君たちの何人かは、既に死んでいる。 君たちには、自分が生者として「戻る」のか、死者として「進む」のか、 『選択』してもらうよ。」