丘の上に聳え立つお城で開かれる、華やかな舞踏会。 理想のパートナーを探す紳士淑女たちや、憧れの王子様とお近付きになりたい庶民たちが、巡り合い、語り合い、踊り合い、夢に描いたような煌めきの一夜を過ごす。

そうして今月もまた名残惜しく終わったはずの舞踏会の翌朝。 兵士たちを引き連れた王子様が麓の村に現れ、滞在する者たちの調査をした後、こう言った。 「昨夜の舞踏会の最中にとある貴族が殺害されてしまいました。  憎き犯人はこのガラスの靴を残して逃げ去ったことがわかっています。」

王子様が掲げた証拠品は、光を弾いて美しく輝くガラス製の靴。 それが右足にぴったりと適合してしまったのは、素朴な格好をした3人の乙女たちだった。