闇に紛れ、暗殺を稼業とする木隠家。木隠邸と呼ばれる屋敷に、その血を受け継ぐ四人の兄弟が住んでいる。名は、木隠カズラ・木隠ヤツデ・木隠アオイ・木隠オガセ。

彼らはまだ未熟であり、世を離れ密かに生きる日陰草と呼ばれている暗殺者の血が覚醒すれば、その名を残すことは間違いないだろう。 ただし木隠の正式な後継者となるのは、一世代に一人だけ。木隠家の人間が互いに殺しあう「継承の儀」が訪れれば、一人の人間が他の雑草の命を刈り取ってしまうためである。また木隠の血筋を継ぐ人間は、代々「日陰病」という病を持つとされている。

太陽の光を浴びれば紫外線に反応して症状が起こり、最悪の場合死に至る。そのこともあり、彼らはこの屋敷の外に出ることはなかった。 しかしある寒い冬の日、日差しが強い正午のこと。スピーカーから今日が「継承の儀」に設定されたという音声が流れる。また驚くべきことに、木隠家の人間が既に一人は死亡しているという。 一触即発の状況の中、三人は警戒態勢をとるが殺し合いは始まらなかった。だが、この中に殺しを行った人物はいると考えられる。

残された三人はまずはその犯人を探し出し、その後でこれから取るべき行動について考えることにした。