石炭が燃え、重厚な音を立てて歯車が回る。 蒸気が噴き出す石畳の中を、球体関節を丸出しにした絡繰人形が 林檎を両手いっぱいに抱えて駆けていく。 ここは蒸気街“スティメラ” 若い領主が収めるこの街は、流通の中心として お金、人間、絡繰、思惑、様々なものが飛び交っていた。 絡繰により裕福なものはより豊かで、高潔に。 貧民はより貧しく、汚れていった。 そんな蒸気街の領主の館で事件が起こる……。 館の主人・館の少女・館の女中・館の執事・機械技師・死体埋め 彼らに館に渦巻く思惑を解き明かすことは出来るか。 そして、自分だけの幸せな結末を手に入れることは出来るか。

自分の決断が物語の結末を、自分の結末を左右する。