西暦3022年。 地球からの移民により開拓された火星は、その赤い大地で生まれ育った人々の手で統治されていた。 しかし緑の木々が育たず、人が住める大気を維持するため、地球から高額な値段で酸素を輸入するしかなかった。 次第に地球への反発は高まり、豊富な鉱物資源を使って水面下で兵器を備える動きがあった。 火星を支配したい地球。地球から独立したい火星。 二つの星は、表向きは良好な関係に見えつつも、緊張状態へと進んでいった。 そして地球発火星行きの、旅行宇宙船が旅立っていく。 星々の運命を、乗せているとも知らずに――。