君達は獰猛な火竜を討伐した。  この火竜はこれまでに多くの冒険者を退けており,君達は竜殺しの英雄として称賛されることだろう。  偉業を成した君達は意気揚々と山を下り,火竜のせいで広がっていた荒野を抜けて近くの村へ辿り着いた。  長年火竜に悩まされてきた村人たちは君達の帰還に沸き立ち盛大な歓迎を受け,その後に君達は村で唯一の宿屋に泊まることにした。  皆が久々の人里での一夜を思い思いに楽しんだが,翌朝,出発の時間になってもリーダーのウォーカーが現れなかった。  訝しんだ君たちが彼の部屋を確認すると,そこには血だまりに沈んで息絶えたウォーカーの姿があった。  村人の中に昨夜から今朝にかけて犯行が可能なものはいなかった。  犯人は君達の中にいる。
これは,竜殺しのその後におきた物語だ。