「ねぇ、不知八幡森(しらずやわたのもり)って知ってる?」
それはこの地域では有名な話である。 日本のとある県にあるこの森は、古くから禁足地とされていた。 だがその森は街中にポツンと神社とともに存在しており、一見普通のようにも見える。面積は一軒家ひとつかふたつぶんぐらいであろうか。 なぜこのような場所が禁足地なのか? 年配から子供までが知っているこの森の噂話。
「足を踏み入れると二度と出てこられなくなるんだって!!」
「それって、”神隠し”ってこと?」
こんな狭い森で迷うわけもない、初めて聞いた人はそう思うだろう。 だが、実際行方不明者は後を絶たない。そしていまだに見つかることはなく、原因も分からない。こうして禁足地として立ち入ることを禁止したのだ。
だが、今日もまた迷い込んだ人間が・・・
いや、迷い込んだのではない。導かれたのだ。
得体のしれない何者かによって。