西暦二二××年、某国本丸の審神者の縁ある人物が海難により命を落とす。 それからしばらくしてまことしやかな噂が広まった。 「とある本丸の審神者が身内を蘇らせるため歴史修正主義者の甘言に乗り、本丸に魔物を喚んだ。 そしてその魔により本丸は惨禍の渦に呑まれ壊滅する。 本丸はそのまま、時の政府の手により封鎖された」 都市伝説じみた事実無根にも等しい噂。
しかし……。
冬の暮れが迫ったある日、二振りの刀剣男士が封鎖されていたはずのその本丸に足を踏み入れてしまう。 互いに初対面の彼らの前に今、恐ろしい化け物が静かに忍び寄っていた――。