勇者 は その剣と鎧をまとったままで見知った神殿にいた。 何分……何時間前からいたのか、その記憶は定かではなかったがここが どこかはわかる。 「恩寵<Gift>の神殿」だ。 ここで、世の勇者は『恩寵<Gift>』 を賜る。 だが、それを行ってくれるはずの 聖女 がいない。 どうしたものかとさまよっていると それらしき女性が 神殿の最奥で凍りついて いるのをみつけた。 「なにがどうなっている? 『Gift』を いただけるのではないのか?」 と、そのとき 目の前の祭壇から 3 つの光が飛び出して浮遊した。 直感でわかる。この光そのものが 『Gift』だと。 これを受け取ればいいのだと。
しかし……『3つ?』 その言葉を同時に発したのは3人。
気がつけば その場に 勇者は3人いた。